最近面白かった映画を見ると「もう一回観たいな」と思うことが多くなった。
実際に映画館で同じ映画を複数回見ることが増えた。
これはいったいどういう内面の変化なのだろう。
私が小さかった頃は映画館に同じ映画を何回も見に行くことなんてしなかった。
なぜ「一度見たものをなぜもう一度見るのか」という感覚すらあったと思う。
最近スタジオジブリの「君たちはどう生きるか」を映画館で見た。ジブリに造詣が深い人間ではないがジブリが持つ空想感が頭に流れ込んでくる事は私にとって心地よかった。
同映画を見た仲のいい友人と話すと結論「もう一回観に行きたい」というまとまり方をした。
この状態に私は「成長」という感覚を覚えた。
幼かったころの映画といえば「連れて行ってもらうもの」だったと思う。
観たいと思った所に「与えてもらう」ものだった。
大げさかもしれないがこの感覚が今の自分にとっては腑に落ちた。
今現在の映画は観たいと思った所から「自分から迎えに行かないと」観ることができない。そのためより自分が求めているものと映画が結びつきやすいのではないかと考えた。
今までより自分が獲得した感覚で映画を楽しめているのかと考えてみるとなんだか楽しい。ほしいと思ったものを好きに自分に取り込めるなんて身勝手な「捕食者」のような感じがする。好きなものを好きなだけ食べていいなんて子供の夢だろう。
子供の行く先が大人ならその夢は大人にとっても夢なのだと思う。
もう一度観に行きたいな。「君たちはどう生きるか」
好きなものを好きなように。そういう単純さで。
もしくは単純に「老化」かもしれない。一回見ただけじゃ覚えておくことができないのだ。